安静にする効果
残念なことですが、お医者さんを含めて日本では、ぎっくり腰が発症したら「とりあえず安静にする」という考えが腰痛治療の常識です。
しかし、欧米では「安静にするより普段通りの生活を続けた方が治りが早い(激痛を伴わない動ける範囲)」という考えが常識となっています。
それを裏付けるデータとして、ぎっくり腰で病院を受診した患者さんを「治るまで安静にしてもらう」グループAと「普段通りの生活を続けてもらう」グループBとに分け、翌年のぎっくり腰の再発率を比較したところグループAが32%、グループBが16%と「普段通りの生活を続けた」グループBの方が再発率が低いという実験結果が出ています。
さらに別の実験では、ぎっくり腰になった人の大腰筋と腸骨筋の緊張を推拿のテクニックで緩和したところその場で完治したという結果が出ています。
なぜ?動いたら痛いのに、動いた方が安静にしているより早く治るのでしょか?
また、推拿でその場で完治するのは何故でしょうか?
その原因は、実は脳にあったのです。 ぎっくり腰が発症すると、脳は「これ以上負担をかけると筋肉が壊れる」と判断し、腸腰筋をロックしてしまうのです。痛くとも動いていると、脳は「なんだ、動けるじゃないか」と言うことでロックを解きます。推拿や操体法のテクニックで脳に信号を送ると、わずか1分半で脳はロックを解除するのです。左右合わせて3分あればぎっくり腰は治ります。ただ、ぎっくり腰になった原因をきっちりと取り除かないと、慢性腰痛→腰椎ヘルニアへと悪化してゆきます。
安静にして身体を動かさずにいると、すぐに筋力が弱くなります。筋力が弱くなると血行が悪くなるため組織に酸素と栄養が行き渡らず患部の治りが遅くなります。
また、代謝も悪くなるため身体に老廃物が蓄積しやすくなります。
さらに安静期間が長期になると心肺機能低下、高カルシウム血症、廃用性骨委縮、血栓塞栓症などの様々な障害を招く場合もあります。
欧米では腰痛患者に安静を求めることを禁止しているぐらいです。
東洋医学では"推拿"、日本では"操体法"という優れた技術が昔からあるのに、勉強不足のため迷信に振り回されている医師や治療家が多く存在するのは残念なことです。
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